【書名】
入門 顎関節症治療のための咬合分析と診断
定価(本体2,800円+税)
全国の有名書店にて販売中
【出版社】
金原出版株式会社
電話:03-3811-7184
【監修者】
武田 泰典(岩手医科大学歯学部口腔病理学講座教授)
【著者】
外川 正(外川歯科医院院長)
【執筆協力者】
藤村 朗(岩手医科大学歯学部口腔解剖学第一講座准教授)
かおる やまもと(翻訳士)
【内容】
いわゆる「顎関節症」は、疾患名ではなく診断が下されるまでの仮の呼称である。そのため、歯科医師が患者の疾患を顎関節症と認識しても、その段階では、診断に基づいた疾患名を付けたことにならず、治療を開始することも適切ではない。
本書のテーマは、いわゆる「顎関節症」に対して、正しい疾患名を付与するとともに、その診断に基づく治療方法を確立することにある。
歯科医師は、顎関節症治療の最初のステップとして、その疾患を歯科医療機関で取り扱うのか、他診療科に診察を依頼するのか、他診療科に対して連携医療を提案するのかを判断する必要がある。その見極めは、患者が不正咬合を持っているかどうかにより判断される。そのため、咬合理論に基づく咬合分析は、いわゆる顎関節症治療の最初のステップにおいて重要な役割を担う。しかし、咬合理論に基づく咬合分析を修得することは簡単なことではなく、時間と労力をかけて分厚く難解な専門書を解読しなければならない。本書は、咬合理論に基づく咬合分析についてイラストを用いて分かりやすく簡潔に解説している。
本書が、咬合理論への読者の関心を高め学びたいと思うきっかけを作り、専門書への橋渡しとして役に立つことを期待する。
【もくじ】
1 はじめに
2 顎関節
1.顎関節の構造
2.顎関節の運動
3.歯、咀嚼筋、顎関節の関係
4.開口と顎関節
3 不正咬合とは
1.形態的不正咬合
2.機能的不正咬合
4 不正咬合の原因
1.形態的不正咬合の原因
2.機能的不正咬合の原因
5 機能的不正咬合に起因する疾患
1.歯の損傷
2.歯の周囲組織の損傷
3.顎関節周囲の筋肉障害
4.顎関節自体の障害
5.精神・心機構の障害
6 顎関節症
1.咀嚼筋の障害
2.顎関節内の障害
3.その他の器官の疾患
7 咬合理論
1.咬合理論
2.咬合理論の歴史
8 顎関節症の診察
1.問診
2.視診
3.触診
4.聴診
5.レントゲン診査
6.咬合分析
7.調節性咬合器に装着した診断用模型
8.下顎運動の記録
9.その他
9 顎関節症の診断・治療の手順
1.咬合分析と咬合調整
2.疾患の部位と病態および進行程度の特定
3.原因の特定
4.治療方法の選択
10 咬合調整の実際
1.咬合調整の原則
2.中心位における咬合干渉の除去
3.側方位における咬合干渉の除去
4.前方位における咬合干渉の除去
5.前歯誘導の調和
11 治療効果の得られる顎関節症
1.診察方法
2.確定診断
3.治療法
4.いわゆるスプリント療法
12 治療が奏功しにくい顎関節症
1.関節円板前方転位の種類
2.関節円板前方転位の原因
3.関節円板前方転位の治療
13 難治性顎関節症
1.非復位型関節円板前方転位癒着状態
2.変形性顎関節症
14 その他の顎関節症治療
1.全体的な咬合平面再構成
2.外科手術
15 日本の顎関節症治療の現状
1.医原性疾患としての顎関節症患者
2.疾患名の間違った使い方
3.顎関節症治療の実態
文 献
索 引
MAIL : sotokawashika@ozzio.jp